私はイベルメクチンが新型コロナウイルスに効果があるというニュースをたまに聞きますが、皆さんはどう思いますか？今回は愛する犬の救世主イベルメクチンがコロナに効果の有無について
新型コロナにイベルメクチンは効果があるの？
研究段階では細胞レベルの治験では一定の効果があったんだよ。
目次
「新型コロナウイルスに効果がある」との誤発信
製薬会社「興和」によるプレスリリース
発端は、名古屋市の製薬会社「興和」が公表した2022年1月31日「イベルメクチンの『オミクロン株』への抗ウイルス効果を確認」と題したプレスリリースでした。あくまでも試験管内の細胞実験の結果にすぎず、実際に患者に投与して検証した臨床試験の結果ではありませんでした。しかしロイターが投稿した「臨床試験でオミクロン株への有効性を確認」との誤ったツイートが瞬く間に世界に拡散してしまいました。結果的に、それを追随する形で、多くの医療関係者が、臨床現場において独自の判断で使用するに至ります。
2021年7月には、有効性の最大の根拠となっていた論文に捏造が発覚して撤回され、世界保健機構（WHO）は誤解を招く見出しのツイートを削除するように。と警告しました。
しかし、興和は2021年から新型コロナへの有効性を検証する臨床試験を継続中で、結果はまだ出ていない。広報担当者は「一日も早く臨床での効果を確認したい」と発表しています。
2022年1月31日の興和のプレスリリースでは「興和 イベルメクチンのオミクロン株への抗ウイルス効果を確認」を発表していますが、現在臨床治験データーを実地しているとのことです。詳しくはhttps://www.kowa.co.jp/news/2022/press220131.pdf
イベルメクチンの論争
現在のところ、臨床実験などではイベルメクチンの効果は確認されておらず、また使用自体もは承認されていません。現在のところ、安全かつ効果的な投与方法を示すデータは不十分で、いくつかの研究論文があるが、実験の対象ややり方に信憑性がなく、信頼度は大変低いのが現状である。他の医薬品との相互作用もあり、安易なイベルメクチンの使用が重大な副作用が生じ健康被害が増加している。
WHOの見解
イベルメクチンがCOVID-19に効果があるという証拠が非常に不確実とし、いかなる患者にも使用すべきではないとの声明を発表した。
アメリカでは家畜用のイベルメクチンを服用し、過剰摂取により入院する人や、アメリカ中毒相談センター（AAPCC）への電話相談が増加し、2021年3月、アメリカ食品医薬局（FDA）は家畜用のイベルメクチンについて「痙攣や昏睡など深刻な被害を引き起こす可能性があるだけでなく、死に至ることもある」と注意を呼びかけ「あなたは馬でもなければ、牛でもありません。本気でやめてください」と警告しています。
メルク社も「効果が疑わしい」と判断
2021年2月、イベルメクチンを製造販売するメルク社もイベルメクチンがCOVID-19に効果があるという十分な根拠はなく、データ不足でCOVID-19患者への投与が安全かは分からないとの声明を発表し、安易な考えで、イベルメクチンを治療に使わないように発表もしています。
臨床現場では、新型コロナウイルスの患者に効果があったなどのフェイクデーターの元、医療現場において現在でも、日本でも一部の医療機関が独自の判断で患者に使用しているのが実情である。
陰謀論が誤解を招く
世界には様々な陰謀論が存在する。
例えば
「新型コロナウイルスは存在しない」「ワクチンを接種させたいがために、イベルメクチンは闇に葬り去られた」「人口削減計画の一種」「グレートリセット計画の一部」などである。
このような陰謀論は新型コロナウイルスのパンデミックの現実を人々が受け取ることができないために、都合の良いように考えてしまった結果の産物である。なんせ、ウイルスは見ることができない。この恐怖の現実を政府の責任にするために陰謀にしたいのは理解できるが、大いなる責任転嫁だと感じずにいられない。
イベルメクチン開発の親 大村智博士の見解
論文 「イベルメクチンの COVID-19 に対する臨床試験の世界的動向」
八木澤守正1,2)・Patrick J. Foster2)・花木秀明1)・大村 智1) 1)北里大学大村智記念研究所，2)慶應義塾大学薬学部
論文の最後で
「イベルメクチンが COVID-19 の治療と予防に有 効であるという臨床試験成績が蓄積されてきてい るが，その有効性を合理的に説明できる in vitro での基礎的な知見が得られておらず，上記のよう なマクロライド系化合物が示す多種多様な生物活 性が，複数の段階で働いて総合的な作用を呈して いることが考えられる。今後の検討により解明さ れなければならないが，(1)抗ウイルス活性，(2) ウイルスと宿主細胞との関係の阻害，(3)宿主反 応の調節に係わる作用の何れによって臨床的な有 効性を発揮しているのか証明する必要があり，基 礎研究者と薬理学研究者，臨床研究者が連携を 保って解明するのが相応しい研究課題であると思 われる。」
イベルメクチンの生みの親である大村智氏も効果が疑わしいとしているみたいだね。
論文Covid-19におけるイベルメクチンによる早期治療の効果
今回の論文では、新型コロナウイルスに対してイベルメクチンが本当に効果があるのか、を治験データをもとに論文としてまとめられ発表されました。
Effect of Early Treatment with Ivermectin among Patients with Covid-19.
Covid-19患者におけるイベルメクチンによる早期治療の効果
The New England journal of medicine. 2022 Mar 30; doi: 10.1056/NEJMoa2115869.
早期に診断された新型コロナウイルス感染症（COVID-19）外来患者において、イベルメクチンで治療してもCOVID-19進行による入院の発生率や救急外来での観察期間延長は低下しないことが、ブラジル・Pontifical Catholic University of Minas GeraisのGilmar Reis氏らが実施した無作為化二重盲検プラセボ対照アダプティブプラットフォーム試験「TOGETHER試験」の結果、示されました。
2021年3月23日～8月6日の間に、イベルメクチン群（679例）またはプラセボ群（679例）に割り付けられた1,358例のCovid-19患者において使用されその結果が解析されました。
治癒効果の解析率は
イベルメクチン群（679例）またはプラセボ群（679例）で14.7％ vs.16.3％という結果になり有意差が認められませんでした。
つまり
Covid-19患者1400症例の大規模イベルメクチン治験において、結果的に「イベルメクチンは効果が認められない」という結論になりました。
まとめ
現在のところ、イベルメクチンは新型コロナウイルスには医学的には効果が示されていません。非常に残念なことですが、イベルメクチンが効果があるという誤発信をしてしまったのが、日本のイベルメクチン製造企業「興和」薬品だったことです。間違った情報が、現在でも信じられてしまい、多くの混乱を有無結果になってしまいました。イベルメクチンは犬の救世主であることは間違いありませんが、コロナウイルスには効果が無いという科学的事実を知らせる事で、新型コロナウイルスへの正しい医療で多くの命が救われると信じこの記事を書きました。
